北川浩の徒然考

私は2016年から成蹊大学の学長を務め、6年間の任期を無事に全うして2022年の3月に退任しました。本ブログは成蹊大学の公式な見解とはまったく無関係なものであり、あくまで社会科学を探求する一人の学者としての北川浩個人の考えを表示しています。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

長期戦に備える非接触型イノベーション - 「がまん」だけではダメ、前を向こう!

緊急事態宣言が出された後、「一カ月がまんすれば終わる」という意識の人が多い。しかし、山中教授が述べているように「新型コロナとの戦いはマラソン」のようなもの、最初に息を止めて全力疾走したら途中で息切れすることは明らか。いま求められるのは環境…

現金10万円一律給付を考える

私はこれまで一貫して現金一律給付の効果に疑問を呈してきた。現在現金10万円一律給付が決定され実行されようとしているが、そのどこに問題があるのかについて述べてみたい。

医療崩壊前夜 -時間との闘い=政治家の本領の見せどころ

医療崩壊防止>感染拡大防止>弱者救済>景気浮揚 という戦略優先順位の中で、医療崩壊防止は待ったなしの局面に入った。しかし、動きは緩慢で最初の戦略でつまづいている。このままでは見えない敵との戦争にはとうてい勝てない。政府に激励の喝をいれたい。

大切なのは長期戦の構え -「緊急事態宣言」で終わりではない

緊急事態宣言(期間4月8日~5月6日)が出たことにより、多くの人が一か月我慢すればGW明けくらいからは日常に戻れるという錯覚を抱いたように感じられる。しかし、冷静に考えれば、それ以前に政府が言っていた「長期戦になる」「ピークをできるだけ後ろにず…

令和に二宮金次郎はいないか?

現在のわが国の状況をみていると、ふと幕末の二宮金次郎のエピソードを思い出した。行政や政治に携わる人の中に二宮金次郎のような人はいないだろうか?若干うろ覚えで不正確なところもあるかもしれないが、その点はご容赦いただきながら、以下で幕末の二宮…

「見えない敵との戦争」に勝つための戦略提言

新型コロナウイルスとの戦いはよく「見えない敵との戦争」と表現されることがあるが、戦(いくさ)であるならば勝つための戦略が必要なはずである。しかし現在の日本では、思いついた対策がさみだれ式に打ち出されるだけで、勝つための戦略が示されているよ…

日本の新型コロナ対策に欠落する総合的思考

我が国の新型コロナ対策は本当に正しいのだろうか? 私はよくSociety5.0時代において人間の果たすべき重要な役割として「総合的思考」を取り上げている。しかし、現在の我が国(専門家会議)の対策が、いささか総合的思考に欠けているように思われてならない…